Kent's eye

指に宿るもの。

人類がリングを身につけ始めたのは、およそ4万年前とも言われている。

古代エジプトでは、円環は「永遠」の象徴とされた。始まりも終わりもない形が、神への誓いや、愛の証として指に収まった。古代ローマでは、契約や身分を示す印章リングが権力の象徴となり、中世ヨーロッパでは毒を忍ばせた秘密のリングが歴史を動かしたとさえ言われる。時代も文化も違うのに、人間はいつも、指にものを纏おうとしてきた。

その理由を考えたとき、ひとつ気づいたことがある。

リングは、ジュエリーの中で唯一、自分が身につけたまま自分の目で見られるものだ。ピアスは鏡がなければ見えない。ネックレスも、自分の首元を直接確認することはできない。でもリングは違う。手を動かすたびに視界に入る。仕事をしながら、誰かと話しながら、ふとした瞬間に目に触れる。つまりリングだけが、他の誰かではなく、まず自分自身のために輝き続けるジュエリーなのだ。

KAORUのものづくりは、リングから始まる。

新しいコレクションが生まれるとき、最初に形になるのはいつもリングだ。KAORUといえばリング、と言っていただけることも多いが、それはブランドが生まれた瞬間から、リングが中心にあり続けてきたからだと思う。そこから生まれた世界観がピアスへ、ネックレスへと広がっていく。リングはKAORUにとって、創造の起点だ。

KAORUのリング