Kent's eye

048の話

KAORUでは、アイテム管理のために固有の「型番」をつけている。
お客さまの前では、ご購入カード等に記載する以外にその型版を使うことはないが、スタッフの間では暗号のような数字やアルファベットを多用する。

その中でも、「048」と型番がついているアイテムは、少しだけ特別な意味がある。

ブランド発足以来、新しいコレクションができるたびに、新しい番号が割り振られるわけだが、ことデザインを刷新し続けるKAORUでは、この22年で700番台までナンバリングが進んでいる。

つまり、型番の頭に「0」がついているということは本当に初期からあることの証拠なのだが、そのアイテムこそ、KAORUを代表する「スワトウ」なのだ。十数年、改良こそあれど、ほとんど変わらないデザインが「048」。

先日、デザイナーと話をしていたときに、このスワトウをつくろうと思ったきっかけをきくことがあったのだが、デザイナーのご祖母様がお持ちだった「スワトウ刺繍」のハンカチ
にインスパイアされて生まれたとのことだった。

(手前味噌な言い方にはなるが)KAORUのアイテムは、他にはないユニークさがあるんだけれども、なぜかノスタルジーや親近感を感じさせるものが多いと感じるのはなぜだろうなと思っていたが、この話を聞いたときに腑に落ちた。デザイナーが「身近にあるもの」をモチーフにしていること起因するのだと。

「見たことがない」くせに、見たことあるような安心感を与えてくれる。そんな「048」を少し違った目で見てみると、また新しい発見があるのではないか。

第九回へ続く